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おいしい時間 料理と酒と。庄内の食のつくり手たちが見据える未来。

庄内浜で水揚げされた魚介を提供する料理店と、水産加工品の販売を手がける岡ざきの岡崎雅也氏。鶴岡市を縦断する赤川の伏流水と山形県産米を原料に、地元に根ざした酒造りを行う加藤嘉八郎酒造の加藤嘉隆氏。おふたりによるクロストークからは、料理と酒造りに対する情熱と、庄内の食文化の魅力が溢れていました。

食の都 庄内

庄内地域は、四方を山と海に囲まれ、また、山形を縦断し日本海に注ぐ最上川や山々を源とする多くの河川が流れる日本有数の穀倉地帯。そこで育まれるおいしいお米、四季折々の山の幸、海の幸に恵まれた自然豊かな地域で、豊かな食文化を形成し、「食の都」と呼ばれている。

―料理とお酒。おふたりはどのような思いで、ものづくりに向き合っているのでしょう。

加藤:現在、全国各地に存在する日本酒すべては、それぞれの地域の風土や食文化に寄り添いながら、長い時間をかけて磨き上げられてきたものです。弊社は鶴岡市大山地区の酒文化を継承し、明治五年から続く酒蔵として、庄内の食文化に則した酒造りをしています。そして創業以来、華美な味わいのお酒だけを追い求めるのではなく、料理に寄り添える食中酒であることを基本に、さまざまな酒造りに挑戦し続けています。

岡崎:私達はシンプルな調理法を心がけ、四季折々の素材の味わいを活かした料理を提供しています。また、誰が食べるのかということを考え、おいしい魚介はもちろんですが、庄内の食文化を感じてもらうことにも配慮し、日々料理と向き合っています。以前から、市場に勤めていた父の人脈、また、漁師さんたちとの繋がりを大事にすることで、できるだけ旬の食材を仕入れていましたが、近年は獲れる魚の量や種類の変化を感じたことで、今後はどんな魚を使っていくべきなのかと考えるようになり、その憂いは新たな事業をはじめる動機のひとつになりました。

―おふたりが取り組んでいる新たな試みについてお話しください。

岡崎:水産加工品のブランドを立ち上げ、人気がそこまで無い、または水揚げ時の大きさなどを理由に廃棄されてしまう庄内の低利用魚や未利用魚を、レトルト食品として販売する事業をはじめました。もちろん、海のものだけでなく孟宗竹やだだちゃ豆など、過度に収穫された山や里のものを使った商品も開発しています。それらの食材は、庄内の食文化を構成する大切な要素ですし、これまでは廃棄されていた食材を、おいしく食べられるものに変えることは、それに関わる漁師さんや農家さんを応援することにもつながると思うのです。

加藤:私も数年前から日本酒をベースにしたカクテルの販売を開始しましたが、その開発には岡崎さんと同じく、廃棄される食材に価値を見出そうという思いがありました。果樹など農産物も、獲れ過ぎてしまうと廃棄されてしまうため、規格内品、規格外品を問わずジャムに加工し、お酒と合わせることで商品化できれば、山形の果樹農家さんが抱えるさまざまな問題の解消につながると考えたのです。巷ではSDGsという言葉を良く耳にするようになりましたが、飲食業また製造業に関わる私たちも、事業を通して未来に貢献できることがあると信じています。

―庄内が育む食の魅力についてお伝えいただけますか。

岡崎:海と里、そして山々。それらすべてが揃っている庄内には独自の食文化が存在しています。それは季節の食材の味を楽しむ調理法や、山ほど誇り高い食材があるからです。私たちが作る料理を食べたことがきっかけとなり、庄内に興味を持ってくれる方が増えれば嬉しいですね。

加藤:私たちが暮らす庄内は、とても食に恵まれた地域です。そんな食の都と一緒に育ってきた我々のお酒をぜひ味わってもらいたい。人にとって食はとても大切なもので、どこで誰とどんな食事をするのかはありますが、その時間を楽しむことは大事です。よりリラックスしたいときは、ぜひ庄内のお酒をお試しください。潤滑油として、会話も杯も進みますよ。

加藤嘉隆 鶴岡市出身。150年続く酒蔵の家系に生まれ、奈良では酒造りを、東京農業大学では醸造学を学んだ後、県の工業技術センターでの研修を通じ全国の酒蔵を巡る。現在は家業である加藤嘉八郎酒造の取締役として、蔵の業務全般と新商品の開発に携わる。

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岡崎雅也 鶴岡市出身。仲買人として働いた後、同市で飲食店・魚亭岡ざきを開業した父親の背中を見て育つ。大学卒業後、一時は建築業の道を歩むが、家族の誘いもあり家業へ。同店の板場に立つ一方、みさきの一軒家という地魚などの加工販売を行う新事業にも着手。

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